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 ナンタケット島を10倍楽しく知る方法 〜ナンタケット島ガイド〜

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ナンタケット島を10倍楽しく知る方法

6. 見どころ

派手なものはない

ガイド冒頭でもお話しましたとおり、とくに見どころらしい見どころがないのが、この島の特徴です。

エジプトのピラミッドのような史跡があるわけでもなし、
ナイアガラの滝のような超大自然があるわけでもなし。

そういう意味では、ほとんど19世紀のまま遺された街並み、薄墨色の家々、これこそが一番の見どころだといえます。

地味ではありますが、この街並みこそが、ほかのどこにもない貴重な観光資源なのでしょう。

信号機もない、派手な看板もない、コンビニやファーストフード店もない、という街並みを、私たちは長らく忘れてしまっています。

見どころを求めて、どこそこへ行く、ということをしなくても、ただ島内をぶらぶらしている、それで十分立派な楽しみ方だと思います。

島内の歩き方

レンタカーという手もありますが、小さな島ですので、とくに必要ないかな、と思います。

おすすめは、自転車です。

宿もレストランも町の中心部に集中していますので、自転車でじゅうぶん行動範囲をカバーできます。

ビーチや、ナンタケット島のシンボルとなっている灯台にも、中心部から自転車で15分くらいで行くことができます。

車だとつい逃してしまう、道端の小さな花や小鳥を見つけたり、さわやかな海風を感じたりするのも、自転車ならではですよね。

町のレンタサイクル屋さんで、手軽に借りることができます。

ただし交通ルールにはご注意を。
自転車に関しては、日本より厳しいです。
筆者は何度も注意されました・・・歩道に乗ったり、一方通行を逆走したり(笑)。
ここでは自転車も車両扱いです。一方通行は進入してはいけないらしいです(ホントは日本でもそうらしいですね)。
あと、車と同じで右側通行です。これも日本人にとっては、慣れないんですよね。

レンタサイクル屋さんで自転車を借りると、サイクリングマップをくれます。
ここでもらう地図は、ストリート名がすべて書かれていて詳しいので、サイクリングだけでなくすべての用途に使えて便利です。
ぜひ、入手しておくことをおすすめします。

ところで、自転車に乗って散策していると、いろいろな人から声をかけられます。
それがまた楽しいのです。

ちょっと迷って地図を見ていると、すぐに誰かがやってきて教えてくれます。
そして、
「あなたたちは日本人か?マツザカはいいピッチャーだね!」
といった話になります!

住宅街をウロウロ迷っていたときは、民家の二階の窓から声をかけられたこともありました。
「ホエアー、アー、ユー、ゴーイング!!」
いきなり頭上から叫び声が聞こえてきて驚きました。
道を教えてあげるから、どこに行きたいのか言いなさい、とのこと。
答えると、二階から声を張りあげて道順を説明してくれて、ホント感動しました!
おばちゃん、ありがとう!!

海と灯台

 
島には3つの灯台があります。

そのうち、町中心部から最も近く行きやすいのが、ブラントポイント灯台(BrantPoint Lighthouse)です(写真・右)。

 絵はがきにもよく扱われ、ナンタケットのシンボルとなっているこの灯台、1746年、アメリカで二番目に建てられたという歴史ある灯台です。

 その昔、ナンタケット島が、世界に名を馳せた捕鯨の本拠地であったこと、その栄光の時代を思いおこさせます。

この日は「水仙祭」にちなみ、水仙のリースをつけていました。

 そして、この灯台の周囲は美しいビーチです(写真・右下)。
浅く、透明度の高いきれいな海です。

 早春の海はだれもおらず、波の音とカモメの鳴き声だけがしました。

 この場所には、自転車でのんびり、15分もあれば着くことができます。

捕鯨博物館

町の中心にある捕鯨博物館(Whaling Museum)は、ぜひ訪れるとよいと思います。
ナンタケット島の歴史、捕鯨産業についてよく知ることができます。
こういった背景を知ってこそ、島の街並みもより深く楽しむことができます。

なかでも、クジラの骨を組み立てて作った、実物大のクジラの模型は圧巻です。
これとあわせて、捕鯨で使った当時のボートや、クジラをしとめるための槍や銛が展示されています。

クジラって、こんなに大きいんだ・・・と、改めて実感します。そして、
えっ、昔はこんなんでクジラに立ち向かってたの?そんな、無茶な・・・
というのも実感できます。

これは、メルヴィル「白鯨」をお読みになった方であれば、主人公イシュメールやエイハブ船長の姿を重ね合わせ、思わず涙が出るくらい(これはちょっと大げさ?)の感動モノ。

また、この博物館の素晴らしいところは、捕鯨産業がもたらした文化や他の産業について、世界規模で幅広い見地で触れているところです。

捕鯨産業は、なんとも奥が深いのです。
世界の歴史のさまざまな出来ごとに深くかかわっています。
日本のペリーによる開国だって、日本を捕鯨船の寄港地にするという目的があったほどです。

世界の捕鯨首都とよばれたナンタケット島の本質にとことん迫る、きわめて質の高い博物館だと思います。 

それから併設するおみやげ屋さん、品揃えが充実していて可愛いものばかり。こちらもおすすめです。

絵画ショップ、ギャラリーめぐり

一般的なガイドブックではあまり触れられていないのですが、ナンタケット島にはアートショップがとてもたくさんあります。
ナンタケットの海や街並みを描いた美しい絵がたくさんあるのです。

ギャラリーめぐりは、筆者個人からはとくにおすすめしたいと思います。

島のゆったりした時間の中で、のんびり好きな絵を描いている画家の絵は、油彩・水彩にかかわらず穏やかでふんわりしており、私たちを癒してくれます。

個人でギャラリーを開いている画家の方と、題材となったこの島の風景について、のんびり話をして過ごすのもとても楽しいのです。

なにも高価な原画でなくても、リトグラフやポスターなども豊富にありますから、旅の記念に1枚買ってみるのもおすすめです。

本日は以上です。お読みくださりありがとうございます。

次回のテーマは「宿泊」。
こちらです 7. 宿泊

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