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ナンタケット島を10倍楽しく知る方法
7. 宿泊
島独特の小さなホテル
この地には、大規模なホテルがありません。
リッツやシェラトンといった有名なチェーンホテルもいっさいありません。
ホテルと呼べるのはごくわずかで、客室数10から30くらいまでの、ごく小さな「イン」が主流です。
外観からは、ふつうの家にしかみえないような、可愛らしい宿です。 中には、客室数7というところもあります。 ホテル自体が19世紀の建物というところも多く、大規模ホテルでは味わえないような趣があります。
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早めの予約を
ホテルの客室数が少ないということは、それだけすぐに埋まってしまうということです。
旅行の予定が立ったら、まず宿を先に押さえることをおすすめします。 ホント、宿、取れません。
とくにトップシーズンは、人気の宿は冬のうちから予約が入るといわれています。
とはいっても、たいていは全額前払い制で、キャンセルと返金に関してはとても厳しいので、あまりうかつに予約はできず、難しいところです。
客室数10程度の宿は、1部屋でも穴があくとダメージが大きく、それゆえ厳しいキャンセル制度を持っています。
インターネットのアメリカの口コミサイトを見ていると、キャンセルを巡るトラブルがけっこう目につきます。
「私がこの宿をキャンセルしたのは、ハリケーン・カトリーナで我が家が流され、旅行を中止せざるを得なかったから!そんな理由でも返金してくれないなんて、ここの宿はなんてひどいんでしょう!」 といった書き込みまでありました。
また、世界のリゾートホテル同様、ナンタケットでも多くのホテルで「最低宿泊日数」を設けていますから、それも注意してください。 2泊どころか、3泊以上しか受けつけない、というところもあります。 そうするとどんな問題が起こるのかというと、たとえば、全部で4泊する予定だったとして、お目当ての宿は3泊分しか空きがない、じゃあ仕方ないからあとの1泊は別の宿にしよう、といったことができなくなるのです。 とにかく、早めの予約が大切だということです。
宿泊料金
ナンタケット島のホテル、高いです。 ボストンもホテルは高いとされていますが、さらにこちらは高いと思います。
一泊いくらを適正と思うかは、まさに人それぞれですが、 ただ、ある程度の広さを要求すると、軽く300ドル(36,000円相当)は超えてしまいますね。
日本で一泊36,000円出せば、けっこういいところに泊まれますよね。 それを考えると、高いなーと思うわけです。
夏のトップシーズンは、ちょっといいところだと、平気で10万円以上します。
またさらに、収税5.7%、地方税4%、あわせて約10%が課せられます。
インテリア
ボストンをはじめナンタケット島のある一帯を「ニューイングランド地方」といい、その名のとおり英国、イングランドの影響を強く受けています。
ホテルの建築やインテリアも同様です。 ニューイングランド好きにはたまらない滞在となるでしょう。
部屋は、白を基調とした明るく軽快なコロニアルスタイルをとっているところがほとんどです(写真右2枚)。
まさにイギリス植民地そしてアメリカ開拓時代というコロニアル・スタイル。カジュアルで軽快な中にも、クラシックな気品が漂います。
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こういった宿には、少女時代に憧れたアーリー・アメリカンの世界があり、「若草物語」に出てくる部屋を思い出したりします(若草物語の著者オルコット女史は、ボストン近郊のコンコード出身です。父親が南北戦争で兵役に出ている際の温かい家族の物語でしたね)。
宿によっては、少し重厚さのあるクイーン・アン様式の家具を取り入れているところもあり、これも素敵です。
クイーン・アン様式は、18世紀イギリスの、猫脚が特徴の優雅な家具です。 18世紀はこの島にイギリスからどんどん人が入ってきて、捕鯨の全盛期を迎えた時期です。 この両者の一致は、島の歴史と文化を私たちに気づかせるものであります。
クイーン・アン・スタイルは、ホテル案内の写真では、ジェラード・コフィン・ハウス、ユニオン・ストリート・イン、パイナップル・インで見ることができました。
古きよき宿で注意すべきこと
趣のあるアコモデーション。1725年に建てられたとか、1846年に建てられたとか、ざらにあります。
こういったところに泊まるのはナンタケット滞在の醍醐味なのですが、古く小さいがゆえの難点も、当然あります。 ぜひご理解のうえで、楽しんでご滞在ください。
まず、狭さ。 一泊200$未満の部屋ですと、ダブルベッドを置いただけでいっぱい!というようなところも多いようです。 ここはアメリカといえど、小さい島の狭い敷地ですので、スペースの余裕はあまりないようです。 筆者は、あまりの狭さと圧迫感に驚いて、替えてもらったことがあります(料金は倍以上に上がりましたが・・・)。 これも、気になるかどうかは個人差ありますが、狭さが苦手な方はスイートを、もしくは「ファミリー向け」と書いてある部屋を選ぶことをおすすめします。
次に、空調。 当然、サッシなんて味気ないものはないわけで、建物自体も古いものですから、どこからかすきま風を感じたりします。寒い日は底冷えがします。 とくにバスルームは寒いので、シャワー後に風邪をひかないようご注意ください。 暖房も旧式のものでゴーゴーものすごい音をたてるものだったりして、また、つけると乾燥するし、つけないと寒いしで、つらいものがあります。 マンションの高気密性と床暖房の快適生活に慣れきってしまった現代人には厳しい環境です。 対策としては、もう着込むことしかないようです。
次に、傾き。 傾き?そう、床の傾きのことです。 私が泊まった宿だけかと思ったら、いいえそうではなく、この島の宿ではよくあることだとか・・・。 それも、「よくよく見ると傾いている」のではなく、入った瞬間「傾いてる!」なのです。 これも、ナンタケットのホテルならでは。 傾いている部屋で過ごせるなんて、そうめったに経験できるものじゃないし、いい思い出になるじゃない、 ・・・と、はじめはウキウキして楽しんでいたのですが、だんだん気になるように・・・。
平衡感覚が狂って、三半器官がおかしくなってくるというか、そんな感じになります。 とくに部屋でPCに向かいますと、傾いた画面でだんだん気分が悪くなってきます。
そして、なにかを床に落とすと、コロコロとどこまでも転がっていってしまって、ベッド下の果てに集合してしまう・・・。そのうち心得て、何か落としたらすぐにキャッチするクセがつきましたが(笑)。
という感じですので、傾きに弱い方(どこでそんなの判断するんだ?)は、その点でもホテル選びを考えたほうがよさそうです。
----- 上記いずれも、ご承知おきください、お気をつけください、という意味で書きました。 というのは、前述の米国インターネット口コミサイトで、 「空調が効かないからこのインはダメ!」 「いやこれは伝統的な建物なのだから当然のこと!」 「でも私はこんなところに泊まるつもりじゃなかった!」 といった論争が起きているからです。
古きよき宿の優雅さも不便さも、すべて受け入れて楽しめたら、きっと素晴らしい滞在になるでしょう。
おすすめの宿
実際に泊まった、あるいは島の常連客に聞いたりして情報収集した宿をご紹介します。 部屋の広さとサービスと居心地の良さ、これを基準に選んでいます。 小さいインやベッド・アンド・ブレックファーストは調査しておりませんが、ロマンチックで素敵なところはたくさんあるようです。
The
Wauwinet ウォウィネット
島内でも最高級の、歴史ある5つ星ホテルです。タウンから離れた場所にポツンとあるため、非日常感いっぱいのラグジュアリーホテルです。評判もとてもよいです。一度泊まってみたい、憧れの場所です。何度も予約を試みましたが、取れたためしがないのです。部屋数35しかありませんので。一泊平均700ドルほど。広い部屋は1000ドルはします。季節を問わなければ400ドルくらいからあるようです。
White
Elephant Hotel ホワイトエレファント・ホテル
海に面して立っており、とても素敵です。設立は1920年とのこと。ナンタケット島のホテルは町中にあるものがほとんどで、海が見える部屋は意外と少なく、ここは稀少です。この地にしては大きめ(とはいっても客室64)なので、安心して宿泊できます。大きめとはいっても外観やインテリアは島の伝統的な雰囲気を十分に醸し出していますので、決して味気ない大型ホテルとは違います。町の中心部から歩くのはちょっと時間がかかりますが、歩ける距離ではあります。「地球の歩き方」にも、紹介されていました。本に載っている写真よりも、実物のほうがずっと素敵ですよ。ホテル内のレストランも有名です。 一泊平均600ドルほど。ここも広い部屋は1000ドル以上しますね。
Harbor
House Village ハーバーハウス・ヴィレッジ
上記ホワイトエレファント・ホテルと系列の3つ星ホテル。ヴィレッジの名のとおり、メイン棟の周囲に数々のコテージ棟が建つ構成です。
立地はとてもよく、どこへ行くにも歩いてすぐです。お庭もとてもきれい。 手頃な価格(250ドルほど)で泊まれるメイン棟もありますが、かなり狭く不満に思う人も多いようです(ウェブサイトに部屋の写真が載っています)。選ぶなら、「ヴィレッジハウス・ゲストルーム」がおすすめです(2名であっても)。
筆者が「やっと広い部屋を見つけた」とようやく満足したのがここの2名から5名向けで最も広いツインベッドルーム、裏庭つきの部屋です。(ちなみに、床が傾いていたのは別のホテルであり、ここではありません。) 季節によりますが一泊平均350ドルくらいですので、「ナンタケット島価格としては」リーズナブルかと思います。
選びかた、予約のしかた
まず、日本の旅行会社ではほとんど扱っていないと思います。
もし小さなインがお好みということでしたらなおさらのこと、直接申し込まれることをおすすめします。 たいていのところがインターネット予約を受け付けていますので、言葉の心配もあまりなく簡単に予約は完了します。
まず、宿の選択ですが、こちらのサイトが参考になります。
トリップアドバイザー(ナンタケット島ホテル):アメリカのサイトです
あらゆる宿の概要が書いてあるのと同時に、宿泊者のレビューも見ることができます(前述の「口コミサイト」とはここのことです)。 英語を読むのは面倒という方も、レビューをざっと見ればnice
とかbadとかの形容詞で、なんとなく伝わってくると思います。
ここで空き状況の検索もできますが、リアルタイムではないので、空き検索は直接ホテルのサイトでしたほうがよいですね。
トリップアドバイザーで気に入る宿を見つけ、直接そのホテルのサイトで空き検索をして予約、という方法です。 なお、トリップアドバイザーは、エクスペディアやホテル・ドットコムとの連携していますので、各サイトで予約することも可能です。
宿は旅の楽しみのなかでも重要な位置を占めるもの。 ぜひお気に入りの宿を見つけて楽しいご滞在を!
次回のテーマは「レストラン」。こちらからどうぞ。8.
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