創業15年 ナンタケットバスケットの輸入販売 クラーベル
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 ナンタケットバスケットとは

ナンタケットバスケット大解剖

どんなつくりになっているのか。
ふつうのバスケットと、どこが違うのか。
じっくり見てみましょう。
本質は、細部に宿るものです。 

これが美しさの秘密!実際の商品で、ナンタケットバスケットの特徴を説明します。


1. 完全なるシンメトリー(左右対称)

マーサローレンス作 マーサ・ローレンス作「 メープル・パース」

まずは、正統派ナンタケットバスケットの、大きな特徴がこちらです。
イギリス文化の影響を大きく受けた、アメリカ東海岸。
ナンタケット島では、あらゆる建造物が、きっかりとしたシンメトリーにできています。
ナンタケット島の文化、美の重要なコンセプトであるシンメトリーは、バスケットにまで完全に浸透しています。
写真は、ナンタケット島の美しいハーバーです(2006年9月 筆者撮影)。


D.イートン作「ガーデンL」


2. 機能美を追求したシンプルデザイン

潔いほどにシンプルなかたち。
物の出し入れもしやすく、実用性に富んでいます。
これは、もともとナンタケットの人たちが、実際に使うために作ったバスケットであることの証拠です。
どんなものでも、本物で美しいものは、機能的にも優れているものです。

3. 職人技による規則正しい編み目、なめらかな表面

一枚の上質な繊維のように、規則正しく丁寧に編みこまれた表面。
木材を編んだものが、どうしてこんなになめらかで優しいのか、驚くほどです。
そしてこの編みの正確さ、きめこまやかさ。
ナンタケットバスケットの編みのきめこまかさを表す言葉として、「水をも漏らさぬ」という表現があるほどです。
ナンタケット島で長年培われたクラフトマンシップのたまものです。
右写真:アランリード作「カクテルドルフィン」 )

4. 厳選された上質な素材

素材は、バスケットの質を左右する、重要な要素です。
一流の作家はみな、バスケットの素材となる木材に、こだわりを持っています。一つ一つ自分の目で見て確認し、よいと思ったものだけを、材料として仕入れてきます。
最初は「ただの材木」である木材を、切るのも、曲げるのも、乾かすのも、すべてバスケット職人の仕事です。

そんな重要な素材ですから、当店クラーベルでは、取り扱うナンタケットバスケットの素材を限定しています。
本物の名に恥じない、一生ものとして楽しめる上質の木の素材のものに限っています。
軽くて丈夫なオーク、チェリー、メープルが主です。ケインであれば、ごく上質なもので、編み目はオークを使ったときの倍以上に細かいものに限ります。なぜならケインは、やわらかく弱いからです。

上質な木材であるからこそ、色が変化します。
時が経つにつれ、上品なアメ色に変化していきます。

木は「生きた素材」です。
たとえば世界最古の木造建築物である法隆寺が、1000年以上経ってもいまだに丈夫で、宮大工いわく「いまだ木材が呼吸している」というように、木材で作られたナンタケットバスケットも、私たちの暮らしに末永く溶け込んでともに生きていくことができるのです。
そこには、生活に自然を取り入れることの喜びがあります。

5. 優れた構造の秘密−その(1) たて板芯

ナンタケットバスケットが永く美しい形を保つのは、その構造に秘密があります。
その一つが、「ステーブ」と呼ばれる「たて板芯」です。
しっかりとした強い芯が、底から口に向かって縦にのびています。
それが丈夫な芯となるため、完全なシンメトリーである美しい形が保たれるわけです。
芯にも、オークやチェリーといった頑丈な素材が使われます。

6. 優れた構造の秘密−その(2) 底板

ナンタケットバスケットの底は、板です。
底が板であることが、実際にバスケットを使うにあたってどれほど利点であることか、使ってみればすぐにわかります!
ほかのバスケットは、底まで、周囲と同じ編み目であるものが多くあります。
それですと、中に入れるものが、編み目の凹凸で痛むことがあります。
また、重量のあるものは、入れられません。
ナンタケットバスケットが改良を重ねられていくうち、底は板を使うことになったのです。

7. 美しさの総仕上げ、ふちかがり

ナンタケットバスケットの美しさをさりげなく際立たせるものとして、このふちかがりがあります。
バスケットの入り口である上部は、物の出し入れで頻繁に触れる、とても重要な場所。
またデザイン的にも、視線に留まりやすいことから、重要なポイントです。
正統派のナンタケットバスケットは、この、ふちのかがり編みが、整然と規則正しく、等間隔にされています。
これも高度な職人技を表す決定打です。
トゲやひっかかりを最小限にして作られています。
使う人の手にも優しい、そんな配慮のあるナンタケットバスケットです。
右写真:D.イートン作「ガーデン」

8. さりげない上質感、鋲(びょう)打ち

ふちかがりされた上部をよく見てみると、クギのようなもので、びょう打ちがされているのがわかります。
これは、バスケットの横軸と縦軸を合わせたときのびょうです。
一つ一つていねいに、手作業でびょう打ちされます。
ナンタケットバスケットの愛好者には、実はこのびょう打ち部分が好きなポイント、という方も多いのです。
理由は、堅牢さと上質な手作り感とが伝わってくるから。
直径で1ミリもないようなびょうですが、一つ一つコンコンとていねいに打ち込まれ、バスケットを支えている、とても重要なパーツです。

9. 正統派の証(あかし)、製作者のサイン

大量生産ものではない、正統派のナンタケットバスケットの証として、製作者のサインが挙げられます。
バスケットを裏返してみると、底板に、職人の名前が彫られています。
作家により、名前のほかに、製作年や作品型名が併記される場合もあります。

美術品、骨董品としての価値もあるナンタケットバスケット。
いつ誰によって作られたものかを証明する重要なものです。
バスケットを裏返して、その彫られた名前の職人さんに遠く思いを馳せるとき、ナンタケットバスケットを所有する喜びが、ふつふつとわいてくるのです。

右写真:D.イートン作「プリンセス」

10. 華奢な曲線!美しきハンドル

ナンタケットバスケットには、ハンドル(持ち手)つきのものが多くあります。
このハンドルがまた素敵です。
それはたいてい、貴婦人のように華奢で、優雅で上品な印象です。
そして、よくご覧いただくと、第一級のものほど、その太さに変化があり、優雅な形をしています。

たとえばこちらのバスケットでは、ハンドル根元近くに、くびれができており、持ち手部分はふっくらしています。それだけでグッとエレガントな印象となっています。
手間をかけて持ち手一つにこだわるところ、職人魂を感じさせます。
シンプルが信条のナンタケットバスケットですが、こういったディテールに、美しさを追求する伝統を見てとれます。

そして、この美しい木目をご覧ください。少しのゆがみもなく、きちんとハンドルの形に沿ってまっすぐにカットされたことが一目瞭然です。
それから、このハンドルは可動式。
写真のように上向きにした状態でキープすることも、物を入れる際は、左右にぺったり倒すことも可能です。
実用性を重視するナンタケットバスケットならではです。
右写真:アランリード作「カクテルドルフィン」

11. 意外とポイントとなる留め具

ノブ(ハンドル留め具)持ち手、ハンドルの付け根は、ノブと呼ばれる留め具で留められています。
ハンドルを上向きにしても、途中の角度で止めても使えるように、計算された強度で留められているのです。

実用目的だけではなく、さりげなくアクセサリーの役目を果たしています。白くて丸い、かわいい貝殻ボタンのようなもの。
これがナンタケットバスケットの持つ素朴で美しい風合いへの絶妙なアクセントとなり、バスケット全体に、より洗練された優美な印象を与えるのです。

当店クラーベルで扱っているバスケットの留め具は、すべて天然素材を用いたものです。牛の骨、セイウチ牙の化石、マンモス牙の化石、など、作家によって扱う素材にも個性がみられます。
ふた付きのバスケットであれば、ふたの飾りの素材と同じものを使います。

写真は、マーサ・ローレンス作品の留め具です。
セイウチ牙の化石でできています。こちらはシェルの飾りのバスケットの留め具ですが、シェルに合わせてこちらも巻貝をイメージした彫刻が施されています。

12. 美しい装飾

スリーシェルナンタケットバスケットは、後期からは、飾りがつけられることが多くなりました。
島にちなんだ、クジラ、イルカ、貝殻、お花など、さまざまなモチーフが、バスケットにつけられます。

正統派ナンタケットバスケットの飾りは、象牙などすべて天然素材です。それらを彫刻したものです。

くじらちゃん現在、象牙製品の輸入は、ワシントン条約により禁じられております。
そこで、現在では象牙以外の天然素材を使うのがふつうです。

マンモス牙の化石、
セイウチ牙の化石、
クジラの骨、などです。

象牙がいちばんで、それ以外は代替品、というわけではありません(だいたい、よく考えてみたら、マンモスの化石のほうがよほど貴重ですよね…だってもうマンモスっていないわけですから。)

どの素材も、それぞれに異なった模様や光沢があり、本当に素敵です。
天然素材ですので、二つとして同じものはありません。

また、当店クラーベルで扱っているバスケットの飾りは、全米でもトップクラスの彫刻師が手がけたものばかりです。どれも芸が細かくて、これだけでも素晴らしい芸術品です。
たとえば、上の写真の貝の飾りをご覧ください。ヒトデのつぶつぶであったり、まん丸パールを抱えている真珠貝であったり、繊細な細工が実に美しくよくできているものです。

(上写真:マーサローレンス作「スリーシェルズ・バスケット」セイウチ牙の化石 
*当店お客さまのオーダーによる作品です。現在在庫品で販売はしておりませんが、オーダー可能です。)

(上右写真:マーサローレンス作「くじらバスケット」セイウチ牙の化石)

13. 豊富なデザイン

ナンタケットバスケットには、たくさんの形があります。
ハンドルのあるもの、ないもの。ふたのあるもの、ないもの。
円形のもの、四角形のもの。大きいもの、小さいもの。
バスケットが歴史とともに進化していく過程で、さまざまなデザインが生まれました。
作家によって、取り扱う形が違います。
みなさまのお気に入りのものを、ぜひ見つけてください。

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続いては、ナンタケットバスケットが、私たちの生活をどのように変えるのか、
バスケットの活用シーンとともにみていきたいと思います。
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